Life is beautiful

ご無沙汰しております。

 

試験勉強の合間を縫って、

「劇場版仮面ライダーエグゼイド/トゥルーエンディング」

を観に行ってきました。

 

ので、今回は感想記事になります。

濃いネタバレを含みますので、映画未視聴の方はご注意ください。

 

以下ネタバレ注意で。

ここから感想。

ストーリーを追うと長すぎるからキャラごとに行きましょうかね。

 

宝生永夢

本編での激闘を終えて、もうすぐ「医師」になれそうといったところが映画の時間軸。

映画の随所で「医師」になるにあたって本当に成長したなと思わせるシーンがたくさんあって、

やっぱりこのエグゼイドも主人公の成長物語であったんだなと。

檀黎斗神との掛け合いも、お互いに固い信頼関係ができてる感じですごく良かった。

序盤は苦戦が多かったけど、主人公らしい活躍も多かった。

一つ目はクリエイターゲーマーの戦闘シーン。自由自在にゲーム内空間を描いて戦うシーンは斬新で、ゲームクリエイターとして神を自称する黎斗すら認めるだけの才能があるからこその戦い方なんだなと。

二つ目はハイパームテキ。メタ的な事を言えば強すぎて最初から使ってたら映画が盛り上がらなかっただろうけど、とにかく最終決戦で変身したシーンは高ぶった。劇場で聴く変身音はヤッパ盛り上がりますぜ。

映画でも圧倒的な強さで、結局のところ圧倒的強さでライダーたちを撃破したラスボス・ゲムデウスマキナとの決戦でもほとんどダメージを受けている様子はなく(吹っ飛んでたけど慣性で飛んでたってだけでダメージを負ってたって感じではなかった)。

あの数十メートルある巨体で押しつぶされても勝ち上げからのハイパークリティカルスパーキングによる時間差超連打。

正直設定だけでなく劇中描写も含め最強の仮面ライダーだと思うマジで…。

全ての戦いを終え、晴れて一人前の小児科医に。今後は飛彩先生からは「小児科医」と呼ばれるんだろうか。

ドジ属性は相変わらずだけど、子供たちに囲まれ慕われる医者に。

自分の中にいるパラドに話しかけるシーンも胸が熱くなった。パラドは結局、永夢の中で一緒に生きることにしたのかな。

エグゼイドは永夢っていう主人公の成長と、研修医から一人前の医者になる過程を本当にうまく描き切ったと思う。

バグスターとの戦いはこれからだエンドだったけど、元々自然発生した病気ではあったから、簡単に根絶できるものじゃないところがリアリティあるね。

 

檀黎斗(神)

作中最大のトリックスターだった黎斗神。悪役から最終的には仲間ポジに落ち着いたけど、彼自身のキャラクターは一貫していたところが好感を持てた。

「私か君(永夢)がこれでVRの世界に入り、人々を救うんだ」

というセリフはちょっと意外だった。自分以外のガシャット製作者に対する怒りもあったんだろうけど、人を救うという意識が生まれていたところは不覚にも胸が熱くなった。

それにしても、短時間でVRXを開発する有能さ、自分がゲームに入ると言う永夢に「そう言うと思っていたよ」と笑顔で応じる彼への理解の高さ、自ら囮を買って出る行動力と味方になった神は本当に心強かった。マジ神。

残りライフ1になりながらも時間を稼ぐために戦い続け、パラドとともにゲムデウスを抑え込むために消えるシーンは涙腺に来た。永夢も黎斗からVRXを受け取るときには強く信頼している風だったし、消えたシーンで呆然としてるところとか……もうね。

彼が稼いだ時間や彼が残したプロトマイティがまどかの手術を成功させる切り札になったり、何だかんだ彼がいなければハッピーエンドは生まれなかった。

結局生きていて(良かった!)、再び衛生省に拘束されることになった神ですが、ゲーム開発への情熱は消えておらず相変わらず楽しそう。

残り1つのライフを楽しんでいくんだろうな。

 

鏡飛彩

相変わらずの名医っぷり。まどかちゃんの手術も彼でなければできなかった。

いろんな作品で「天才○○」とか言うキャラ付けって活用されず忘れられていくことも多い中、エグゼイドでは最後まで「天才外科医」である彼のアイデンティティは生かされ続けたなと。花家先生の復活も彼がいたからこそですしね。

運動会シーンでは珍しくはっちゃける鏡先生が観れた。まどかちゃんのイメージの中における配役だったんだろうけど、「ピッツァ切除手術を」とか随所にやっぱり飛彩先生が出てるのがね。

ピンチのスナイプとレーザーを助けるシーン、あそこで来るのエグゼイドかと思ってたらブレイブだったのも意外だった。本当、全部のキャラに見せ場作るなスゲェぞ制作。

炎属性を受け止めながらヒーラー能力も使用するレベル100の器用ぶりを発揮しててライダーの特性もキャラの設定も丁寧に生かすエグゼイドの良さがここでも出てた。

戦いの後も天才外科医として活躍している姿が。彼は医者としては既にかなり大成しているので、今後は指導的立場になっていくんだろうか。

 

花家大我

運動会の「バァン」で全部持って行った人。笑いそうで大変だったわ。

クールな性格だけど実は永夢と同じかそれ以上に優しい性格なのが言葉の端々から伝わってくる映画。「一緒に一等取った仲だろ」とニコちゃんをまどかちゃんのところへ向かわせるシーンなんか、両方に対する深い配慮があるからこそなんだよね。

一人でゲムデウスとの決着を付けにマキナビジョンへ向かったのも、手術に集中しなければならない飛彩や永夢たちを慮っていたからこそ。貴利矢さんにはバレてましたけどね。

「第伍拾戦術!」「爆速!」と貴利矢さんと声をそろえてレベルアップするシーンもめちゃくちゃ格好良かった。

最終決戦後、医師免許は戻ったのか戻らなかったのか、とにかく相変わらず開業医は続けている様子。ニコちゃんは正式にバイトとして採用したようで、彼女の書いた宣伝ポスターを「恥ずかしいだろ」と言いながらも捨てずに診察室にはちゃんと貼ってるあたりがね。

恥ずかしがってるときの花家先生けっこう良い顔してたし、ニコちゃんからはいい影響を受けていたんだね。

 

九条貴利矢

ムードメーカーとシリアス担当をものすごいバランスで両立していた貴利矢さんは映画でも相変わらずの活躍でした。バグスターになってからムテキだなこの人。

一番意外だったのはラスト付近でバイクゲーマーレベル2に変身したシーン。本当に久しぶりの登場だったしずっとレベル0で戦っていたのでめちゃくちゃ驚きました。

役割どころとしてもここしかないって場面での登場だったけど、エグゼイドって本当にすべての設定やキャラクターを丁寧に使ってきたよね……。

監察医として再び白衣を受け取った貴利矢先生。

バグスターであり医者である一風変わった存在として今後も活躍し続けるんだろうな。

良いキャラでした。

 

西馬ニコ

本編で仮面ライダークロニクルがクリアされているからか、変身能力は失われている様子。ライドプレイヤーニコも十分戦力だったけどこればっかりは仕方ないね。

敵に倒された花家先生を助けようと動いたり、まどかちゃんを見守ってこいと言う花家先生の指示に素直に従ったり、バディとしての信頼感は着実に出来上がってるみたい。

正直、作品中盤でニコが出てきたときはここまで重要なポジションのキャラになるとは思っていなかったけど、終わってみれば欠かせないキャラクターに成長していたなぁと。

最後は花家先生のクリニックで正式にバイトとして働くことに決めたようで、今後もこのコンビでなんやかんややりながらも人助けに勤しんでいくんだろうな。

運動会のシーンは子供や一緒に見に来たパパが変な性癖に目覚めないか心配になった。

 

ポッピーピポパポ

看護師としてちゃんと活躍してたのに安心。

仮面ライダーポッピーへの変身シーンもちゃんとあって、戦闘シーンもしっかり出てたのも〇。某ディケイドのユウスケのように滅多に変身しないキャラになることもあり得たけど、本編でもわりとちょいちょい変身を見せてくれてるし、やはりスクリーンで戦っているところを見れたのも良かった。

 

パラド

中盤までなかなか出てこなかったけど、ラストを見る限り永夢の中に居ついているのかな。

影武者として登場、ドアをけ破ってパーフェクトノックアウトゲーマー(長い)に変身するシーンは納得のカッコよさ。もちろん強い。

黎斗と共にゲムデウスを抑え込むために消えていったシーンはやっぱり印象的だった。

ところで戦闘シーンでは忍者軍団に苦戦するレベルX-0のゲンムに対してパラドクスレベル99はわりと余裕ある感じだったり、レベル差による実力描写も結構ちゃんとやってくれる風潮は映画でも生きていた。

決戦の後も永夢とは相棒というか、もう一つの人格(某エジプトの王と高校生みたい)としていい関係を築いているらしく、最後の共闘シーンも良かった。

ラストにちろっと出てきたビルドには客演補正で敗れてしまいましたが(毎年の事なのでここでスペックがどうこう言うのは野暮だよね)、永夢を守ろうと挑んでいくところとか完全に相棒になっててほっこりしましたね。

 

南雲影成

パパ?!

非常な悪役っぽい登場だったけど途中から何らかの理由をもって行動していることが明かされていき……。

何て言うか、不器用な父親だったんですよね。娘の事を大事に思っているけどどうしていいかわからない。と言うより、自分が直接どうこうする資格があるのかもわからない。

結果、強引な手段とはいえ娘を救える方法に縋って必死になって事件を起こしてしまう。しかも娘はそんな父親の行動をなんとなく理解していて、父親に喜んでもらいたくて逆に破滅寸前の道を進んでしまう。

永夢との言い合いのシーンは現代医療でも当然問題となっている、どうすれば患者の「人生」を救えるかと言う問題で、テーマとして医療を扱うエグゼイドの最終巻としてはふさわしいものだったんじゃないかと。

永夢の決死の説得の末、娘のもとへ駆けつけたシーンで一心不乱に娘に言葉を投げかける姿が印象的でした。

事件が終息した後、病室でまどかちゃんに、永夢に言われたのと同じ言葉を投げかけるパパはとても優しい顔をしていて、劇中の必死で険しい表情とのギャップは役者さんさすがだなと。

戦闘シーンも劇場の悪役として十分すぎるほどの活躍でした。めっちゃ強かったしね。

ちなみに、ニンジャゲーマーにレベルが存在しないのは幻夢コーポレーション製じゃないガシャットだからかな?

 

ジョニー・マキシマ

お前バグスターやったんかいワレェ!?

どういう理屈で第二のゲムデウスが存在しているのかはちょっとわかりませんが、悪役としての風格は圧巻。

崩壊したVRの中で、一人とどまったまどかちゃんの前で「最強のラスボスさ!」と正体を明かすシーンなんて震えるほどの迫力でした。ベテランはやぱり演技がうめぇや。

忍と葱を間違えたり部下に裏切られた(ように見える)りする面白外国人社長を演じつつも全く迫力が損なわれることはなくて、ゲムデウスとして君臨する直前に出てきても「えぇ…」とかならなかったのもブラザートムさんだったからこそだろうなぁ。

(超)ゲムデウスマキナと化し、圧倒的な力でライダーたちを蹴散らし葬り去る恐ろしいほどの実力はラスボスと言うにふさわしいもの。実際、ハイパームテキなんて本来想定されていなかったチートガシャット(マキシマムマイティXからして本来は不正なガシャットだし)があってようやく倒せたんだからやべーやつですよ。

ライダーだとけっこう消化戦になりがちな巨大戦を前面に出してきて、ゲームっぽい描写や表現を多用して、エグゼイドらしい決戦を演出してくれました。

 

星まどか

本作のヒロイン。小学二年生とは思えないメンタルの持ち主。

難病を抱え、学校にも行けない、運動会にも出られないことの不満を永夢にぶつけていたけど、本当はお父さんにそばにいてほしかったというのが泣けるところ。

顔も知らないパパなのに、病室で一目みただけで影成がパパだと理解するのも、親子の絆っていうのは結構言語化が難しい場所にあるんだねって。

VRゲームの中の運動会や家族でのお弁当は、普通のもののようで、(ポッピーが指摘しているように)お弁当に大好きなピザが入っていたりどこか変なところもあって、たぶん運動会やお弁当を知らないまどかちゃんのイメージする「楽しい運動会」があれだったんだろうなぁ。

おそらくパパである影成が「娘の望みをかなえたかった」ことから設定したであろうクリア条件も「一等賞になる」「家族でお弁当を食べる」と平凡なものだった。

VR世界に出口を生み出したエグゼイドによって世界が崩れていく中で、「私はここにいたい」と元の世界に戻ることを拒否したシーン、最初は冒頭でのセリフもあって「苦しい病気のせいで寝たきりの世界に戻りたくない」事が理由だと思っていたんだけど、本当は「パパを喜ばせたかった」からで、何回目かの泣き所でした。いい子過ぎ。

手術は成功したものの、後遺症の可能性もあるし、影成が心配していたように今後も病気と闘い続けなければいけない可能性もある。ラストシーンでもまどかちゃんは病院の中にいたわけで。

でもオープニングシーンと全く違うのは、まどかちゃんが笑っていることと、パパが隣にいることと、「未来に希望を持っている」こと。

「運動会に出れる?(出れるわけないじゃない)」と永夢に詰め寄っていたのが、「来年こそは!(出たい)」と希望に変わっていたのが対比としてすごく上手かった。

 

 

総括

結局長くなっとるやんけ。

 

「生きている限り未来に希望は持てる」

 

エグゼイドの総括として、難病とどう向き合うかという重大な問題に向き合ったのは、医療をテーマとするこの作品だからこそできたことだろうなと思った。

各キャラクターごとに書いてこんだけ長くなったようにどのキャラクターにもしっかりとした見せ場があって、どの設定も決して適当に扱われずに生かされている構成の巧さも脱帽モノ。

いや、マジで面白かった。

「トゥルーエンディング」と言うだけあって、本当にさわやかなハッピーエンド。文字通りの大団円。

それも何もかもが上手く行ったというより、全てのキャラクターの未来に希望が持てるという意味でのハッピーエンド。なかなかないぞこんなの。

EDの「Life is beautiful」の穏やかなイントロもエンディングにぴったりで、「あぁ、この作品終わるんだな」と思ってしまった。それがまた寂しかった。

 

本編はまだあと少しだけ続くけど、それでももう終わってしまうのがつらい。

例年より一ヶ月短いんだよ?!

どの作品が一番かというのは決めづらい問題だし人によってその人の一番の作品は変わってくるともちろん思うけど、エグゼイドは僕の中で結構大きなインパクトを残した仮面ライダーでした。当初はこんな記事書くことになると思わなかったしね。

 

完結したらまた最初から一気に追いかけ直したい、あわよくばニコニコ動画とかで一挙配信してほしい、そんな仮面ライダーでした。